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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第25章 耳掃除をしよう(安土勢)


――――
――

光秀さんの朝寝に付き合った、その日の昼。


慶次「へぇ、それが耳を掃除する道具か。やってみてくれよ」

「え、ここで?」


場所は軍議が終わったばかりの大広間。
他にもたくさんの人達が居る前で、慶次はごろりと横になった。

家臣の人達も気になるのか足を止めて、こちらに注目している。


慶次「城ん中、お前の耳掃除の噂で持ち切りだ。
 お前に頼みにいけねえ恥ずかしがり屋がたくさん居るみてえだから、どんなもんか見せてやれば良いだろっ」

「そうなの?じゃあ恥ずかしいけどここでしようかな」


ついに公開耳掃除する事態に発展してしまった。


「慶次の変な顔を見られないように、手ぬぐいを顔に乗っけるね~。
 遠慮なく変な顔して良いからね」

慶次「変な顔とは随分だな」


慶次は乗せられた手ぬぐいをぺらっとめくった。
そのまま全部とってしまいそうな雰囲気だったけど、


秀吉「慶次、その手ぬぐいはしといた方がいいと思うぞ」

家康「同感」


秀吉さんと家康に強く勧められて、慶次はへえと悪戯な笑みを浮かべた。


慶次「どんだけ気持ちいいんだろうな?
 よろしく頼むぜ、姫さん」

「はいはい。動かないでね」


耳かきを持ち、いざ慶次の耳の中へ。
そう思ったけど、広間がシンと静まり返ったことに気付き、顔をあげた。


(こんなに人がいるのに、なんでこんなに静かなの?)


私と目が合うと家臣の人達が慌てたように視線を逸らした。

いつもなら軍議を終えれば一番に居なくなる信長様も、緋色の瞳をこちらに向けていた。


(視線が痛い…)


私の顔も手ぬぐいで隠したいくらい視線が集中している。
たかが耳掃除なのに…。

それだけ耳掃除が珍しいことなんだろう。


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