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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第25章 耳掃除をしよう(安土勢)


膝が熱い。

正確に言うと光秀さんが頭を乗せているところが。


「光秀さん、熱があるんじゃないですか?」


おでこや首に触ると、あきらかに平熱ではない熱さがあった。
慌てて畳にぐちゃっと置かれていた掛け布団を引っ張った。


「もう、なんでまっすぐ御殿に帰らなかったんですか。
 せめて自室で休むとかしてくださいよ」

光秀「信長様に報告があったのでな。
 報告した後、自室に向かったつもりがお前の部屋だった」

「わけわかんないこと言わないでください」


もしかしたら任務先から直接登城して、寝ていないのかもしれない。

寝ぼけていたとか、熱があるからといって光秀さんが部屋を間違うとも思えないけど、こうなったからには看病してあげよう。

膝枕をやめようとしたらごねられたので、足を伸ばして座りなおした。


「貸しひとつですからね、光秀さん。
 それに体調が悪い時に耳かきはできません」


中耳炎になったら大変だ。


光秀「貸しはあとで返そう。あと、俺が熱を出しているのは誰にも言うな。半刻したら起こしてくれ。
 耳かきはあとの楽しみにしておく。……忘れるなよ」


布団にくるまりながらなかなか寝ようとしない。

仕事人間もここまでくると病気だ。


「はいはい。わかりましたから早く寝てください」


(光秀さん、そんなに耳掃除してもらいたかったのかな)


意外な人物からの耳かき依頼は、後日持ち越しになった。


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