第25章 耳掃除をしよう(安土勢)
三成「お、お手柔らかにお願いします!」
優しくしたつもりだったけど、もっとと言われてウンウンと頷いた。
「わかった!じゃあ、うんと優しくするね」
三成「はい、よろしくお願いします」
三成君はまだ何か言いたそうにしながら寝転び、政宗は訳わかんないけどまた爆笑している。
きっと三成君は怖がっているに違いないと思い、看護師さんになった気分で声を掛けることにした。
「はい、耳かき入りまーす」
三成「は、はい」
「カリカリしますね~~」
三成「ん……」
「場所変えてカリカリしますよ~」
三成「ぁ……」
さっきみたいに起き上がることはないから怖さは和らいだのだろうけど……、三成君が呻くたびにイケナイ気持ちになる。
(ど、どうしよう、なんか三成君が呻くと、もっとしたくなる…)
虐めて楽しんでいる自分と葛藤しながら、反対の耳に取り掛かる。
こちらを向いた三成君は頬を紅潮させ、声を出さないように唇を噛んでいる。
まるで『虐めないで!』と耐えているような姿にくぎ付けになった。
(い、いけない、集中集中!)
無心で掃除を終えて、今度は政宗の番だ。
政宗「さーて、どんなもんかね?」
誰よりも堂々と膝に頭を乗せてきて、不敵に笑っている。
「仰向けじゃ掃除できないよ。横向きになってよ」
これじゃあ本当に膝枕しているだけだ。
政宗「どっちを向いて欲しい?お前の顔を見て欲しいならこっちだよな?」
大きな体が動き、政宗は私の顔をじっと見上げてくる。こっちがドキドキするのをわかっていてやるから憎たらしい。
「……だめ、集中できなくて耳かきを刺しちゃうから、最初はあっち向いて」
政宗「恐ろしいこと言うなよ」
政宗は仕方なさそうに背を向けて、私は一安心して前かがみになった。
政宗「舞の膝ってこんな感じなのか…」
「こんな感じってどんな感じ!?」
耳かきどころじゃなくなり、パッと体を起こした。
政宗「意外と…」
三成「舞様のお膝はとても柔らかくて気持ちが良かったですよ。
私はこのまま寝てしまいたいと思ったくらいです」