第25章 耳掃除をしよう(安土勢)
「じゃあ、三成君からだったよね。ここに頭を乗せてくれる?」
三成「膝…ですか?」
膝をたたくと、三成君の顔がブワッと赤くなった。
(耳かきをする時に膝枕をすることまでは聞いていなかったのね。可愛いなあ)
軍議の最中のキリリとした三成君も好きだけど、こういう素直な反応は他の武将にはないところで、物凄く可愛らしい。
三成「では失礼いたしますね。重かったら言ってくださいね」
「ふふ、大丈夫だよ」
そろそろと体を横にした三成君は、最後にゆっくりと頭を乗せた。
膝の上に感じる重みは心地良い。
(ふふ、大きい猫さんみたいで可愛い!)
「じゃあ、始めるから動かないでね」
三成「は、はい。耳に物を入れられるというのは少々緊張しますね」
緊張気味の三成君の頭を撫でてあげる。
「優しくするから痛かったら言ってね?」
三成「はい…」
政宗「っぶ!」
「政宗?何、吹き出してるの?」
こっちは真剣に言ってるのに、何故か政宗は大爆笑している。
政宗「悪いな、ちょっとツボに嵌っただけだ」
「んん?よくわかんないけど、政宗は静かにしててね」
政宗「わかった」
三成君は私に背を向けているので、ピヨンと可愛い寝ぐせが見えている。
柔らかい銀灰の髪を撫でつけるも、寝ぐせは治りそうにないので諦めた。
耳かきを持ち、三成君の耳にそっと侵入すると……
三成「んんっ、お、お待ちください、舞様!」
「っ!?ごめん、もしかして痛かった?」
耳を押さえて起き上がった三成君は顔が真っ赤だった。
三成「そうではなくて、その……」
「その?」
三成君は言葉に迷っているようで、その間、紫の目が右往左往している。
こんなにうろたえている三成君は初めてかもしれない。