第25章 耳掃除をしよう(安土勢)
「ひ・で・よ・し・さん♪」
家康に感想を聞かせてもらえなかったから秀吉さんに期待だ。
秀吉さんに向かって、おいでおいでをした。
秀吉「お、俺はいいぞ。ただ話を聞きに来ただけだからな」
(気になって仕方ないって顔をしているのに、素直じゃないなぁ)
ここはもう一押しだと、膝の上をぽんぽんする。
「またまた、絶対損はさせないから、ここに来て♡」
秀吉「っ!?か、可愛い顔で誘っても駄目だからな」
(いつもならこれでKOされるのに手強いな。
じゃあ、これは?)
「私の膝枕が嫌なの…?」
『ちょっと泣きそうになりながらのおねだり作戦』だ。
効果は絶大だったようで秀吉さんが、小さく唸った。
秀吉「う…」
家康「……行ってみたらどうですか。
まあ、妹に膝枕をさせる兄って聞いたこともないですけど」
秀吉「家康、お前なぁ。行けって言ってるのか、行くなって言ってるのかわからないぞ」
「世の中探せば、妹に膝枕をさせているお兄さんが居るかもよ。
ささ、早く早く♪」
秀吉さんは物凄く抵抗感を露わに近寄ってくる。
家康「今更何をそんなに躊躇ってるんですか。
秀吉さんなら女の十人、二十人に膝枕してもらっているでしょうに」
秀吉「う、うるさい。舞は特別なんだから、仕方ないだろう」
「わあ、私、秀吉さんの特別なの!?嬉しいなぁ」
家族同様に思ってくれているんだと素直に喜ぶと、秀吉さんは複雑そうにしている。