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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第25章 耳掃除をしよう(安土勢)


「は?じゃないよ。耳かきするなら膝枕しないと。
 今更照れる間柄じゃないでしょ。はい、ここに来てね」

家康「ちょ、ちょっと」


腕をぐいぐい引っ張って家康を寝転ばせる。
膝に頭を乗せた家康は顔を真っ赤にさせて悪態をついた。


家康「その小さい体のどこに馬鹿力を隠してたの」

「そんな大げさな。さ、目を閉じてリラックスしてね」

家康「りらっくす?」

「だらんとしてて」

家康「何それ。人の膝の上でだらんとできるわけない」

「大丈夫。全部私に任せていれば良いから」

家康「そのセリフを舞に言われると自分が情けなく思えてくる」

「わかったから、はい、目をつむってね」


ふわふわの癖毛を撫でてあげると、家康は『ほんとにわかってるの?』という顔をして、やっと静かになってくれた。

秀吉さんは耳かき棒を興味津々で見つめ、私は神経を集中させて家康の耳に耳かきを差し入れた。


家康「ん……」

秀吉「い、痛いのか、家康」


注射をした人に『痛かった?』って聞く子供みたいに、秀吉さんが戦々恐々としている。
なんといっても次は自分の番なのだ。


家康「痛くないです…ん……」


家康はしかめ面をしているけど、私にはわかる。


(ふふ、気持ち良いのを耐えてるんでしょ……)


場所を移して、違う箇所をカリカリすると家康の体がモゾっと動いた。

だてに女中さん達を相手に耳掃除をしていたわけじゃない。
経験値を稼いだおかげで、皆が気持ち良い反応を見せる場所は心得ている。


「動いちゃ駄目だからね」

家康「わかった」

秀吉「大丈夫か、家康」

家康「大丈夫ですから、ちょっと静かにしててください、秀吉さん」

秀吉「わ、悪い」

「ふふ」


(気持ち良いから耳に神経集中したいんだよね、わかるわかる♪)


掃除すること数分。


「はい、おしまい♪」


両耳の掃除が終わり体を起こした家康は……


(艶っぽいな…)


潤んだ翡翠の瞳は悔しげに私を睨み、頬は紅潮し、全体的に気だるい雰囲気を放っている。

予期せず快感の神経を刺激されて、怒っているようにも見えた。


「え、っと、耳掃除はどうだった?」

家康「………どうもしない」


素っ気なく自分の席に戻って行き、今度は秀吉さんに行けとばかりに視線を投げている。


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