• テキストサイズ

☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第25章 耳掃除をしよう(安土勢)


秀吉「舞、入っていいか?」

「秀吉さん?どうぞ」


襖が開くと秀吉さんと、その後ろに家康が立っていた。


「わあ、家康が来てくれるなんて珍しいね。
 どうぞ、今、お茶入れるね」


私が淹れたお茶と、秀吉さんが持ってきてくれたお茶菓子を並べて座布団に座った。


(秀吉さんと家康かぁ、珍しい組み合わせだな)


何かあったのかと思ったけど、良くないことが起きたとか、そういう雰囲気はなかった。

美味しい焼き菓子を食べ、お茶で一息ついたところで、秀吉さんが話を切り出した。


秀吉「舞、竹の棒で女中達の耳掃除をしていると聞いたんだが本当か?」

「え?そんな話が広まってるの?」

秀吉「女中達の会話にお前の名前が出ていて、何事かと問いただしたら、『舞がしてくれた耳掃除が気持ち良かった』という話だったんだ」

「なるほど~、それで秀吉さんも掃除して欲しくて来たのね?
 いいよ、今耳かき持ってくるね」


腰を浮かせた私を、秀吉さんが引き留めた。


秀吉「ま、待て、そうじゃない」

「恥ずかしがらなくて良いよ。だってこの時代って耳かきがないんでしょう?
 あの気持ち良さは、ぜひ体験して欲しいな」

家康「耳の中をいじくられて気持ち良いわけないでしょう」


家康がさも怪しいといった表情をしている。


「家康も噂を聞いてやってきたの?」

家康「秀吉さんから話を聞いて、耳の掃除なんて必要ないってあんたに言いに来ただけ」

「耳掃除の必要性は色々議論されてるけど…とにかく試しにやってみようよ?
 秀吉さんより先に家康を先にやってあげる!」


家康の頑なな態度に、私の闘争心に火が付いた。


(あのゾクゾク感を味合わせてやるんだから!)


絶対気持ちいいって言わせてやると気合を入れ、箪笥から耳かきを出してきた。


「さ、家康、ここに来て寝転んで」

秀吉「っ!?」

家康「は?」


二人の目がまん丸になっている。


/ 1220ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp