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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第25章 耳掃除をしよう(安土勢)


――――
――

「どれどれ……ん…っ」


自室に戻って耳掃除をしてみると、久しぶりの感覚に鳥肌がゾワっと立った。

宙をみつめて耳掃除に集中すること数分。
あまりの気持ち良さに、つい独り言を口走った。


「はあ……気持ち良い」


(佐助君に感謝だ。すごい気持ち良いよ~~~)


掃除を終えて、耳かきを綺麗にしていると女中さんがお茶を持ってきてくれた。


女中「姫様、城下でのお買い物はいかがでしたか?」

「あ、今日は買い物じゃなくてね、知り合いとお茶をしてきたの。
 その人がくれたお土産を早速使っていたところなんだ」


耳かきを拭きながら言うと、女中さんが怪訝な顔で尋ねてきた。


女中「姫様が持っているのは何に使うものですか?」

「これね~……ふふ、すんごい気持ち良いの。体験してみる?」

女中「その竹の棒がそんなに気持ち良いのですか?」


意外そうな顔をしているけど、好奇心に満ちた顔をしている。


「うん!いつもお世話になってるから、やってあげるよ。
 さ、ここに頭を乗せて」


膝をぽんぽんと叩くと、前のめり気味だった女中さんが後ろに身を引いた。


女中「それは恐れ多くて…」

「ぜーんぜん恐れ多くないよ!
 気にしなくていいから、おいでよ」


強引に女中さんを膝に乗せ、動くと耳から血が出るよと脅しをかけて耳掃除を始める。

何をされるのかと固くなっていた体は、私が耳かきでひと撫で、ふた撫ですると緩んでいった。


「はい、おしまい!どう?気持ち良かった?」

女中「姫様……すごく、気持ち良かったです」


耳を押さえ、女中さんは恍惚の表情を浮かべている。


「ごめんね、時々痛かったでしょう」

女中「少々の痛みなど忘れるくらい気持ちが良かったです。
 耳かきでこう…カリカリと掻かれると、もう……」

「ぞわぞわっとするよね、わかる~」


すっかり意気投合して熱く語ってしまい、耳かきの存在はその女中さんを通して広く知られるようになった。


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