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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)


(第三者目線)

今日も謙信の部屋に金属音が響いた。

謙信と静華が時折斬り合うのが習慣化し、兼続と幸村は、また始まったかと少し離れた廊下でそれを聞いていた。


幸村「よくやるな、あの夫婦。おかしいんじゃないか?」

兼続「謙信様に向かっておかしいとは何事だ。……謙信様?」


幸村の後方から歩いてくる謙信を見て、兼続が静かに驚いている。


幸村「おい、じゃあ、今の音は誰とやりあってるんだっ!?」


慌てて駆けだした二人に謙信は余裕の笑みを浮かべている。


謙信「ああ、それなら佐助だろう。俺が忙しい時は静華が寂しがらないよう、時々斬りかかってやれと佐助に命じておいた」

兼続「………それは奥方様もお喜びでしょう」

幸村「おい、兼続!おかしいだろうっ、つっこめよ!どこに自分の妻に斬りかかれなんていう夫が居るんだよっ」

謙信「日ノ本中、どこを探しても居ない、良い女だろう?俺の最愛の妻だ」


幸村がげんなりとしたところで、謙信の部屋の襖が開いた。
ひょこっと顔を出した静華が左右を確認し、謙信達に気が付くとぱっと顔を輝かせた。


「謙信様っ、曲者を捕まえましたっ」

謙信「っ!?」

幸村「はっ!?」

兼続「!」


三人が部屋に入ると、最近城にあがったばかりの男が畳の上にのびている。


「誰もいないと思ったのか謙信様のお部屋に入ってきたんです。問い詰めたら斬りかかってきたのでやっつけました」


謙信が贈った綺麗な着物を身に纏い、艶やかな髪を下ろした静華の手には、『尚文』だった頃から使っている刀が握られている。

恐ろしく不似合いな出で立ちだ。

幸村と兼続は飲み込めないものを飲み込むような顔で、のびていた男を捕縛した。


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