第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
その後、織田勢は破竹の如く相手を打ちのめし、長引くだろうと言われていた戦いはわずか2週間程で勝敗がついたのだった。
慶次「帰ったぜ、舞!」
「おかえりなさい!」
嬉しくて泣き出した私の足元で、お手製リードをつけられた似生がブ、ブ、ブッと嬉しそうに鳴いている。
慶次「お前等、親交を深めすぎて似てきたな…」
「失礼ね!」
慶次「いーじゃねえか、どっちも可愛いってもんだ」
慶次はリードの持ち手を強引に奪って似生を小脇に挟むと、私のことは俵のように肩に担ぎあげた。
「わっ!?」
慶次「ではここで解散と言うことで」
歩兵の人達は城下に入ると各々家に帰ったので、城の前まで来ているのは武将達とその他少数だ。
秀吉「あー…、報告をまとめて明日…は駄目だな。明後日持って来いよ」
慶次「承知!じゃあな」
慶次はさっさと歩き出し、その足はやがて大股に走り出す。
「ひゃ、おち、るー!」
秀吉「あ、おい!あんまり舞を虐めるなよ!」
慶次「あったりまえだろ!」
城壁が見えなくなり、御殿がもう少しというところで慶次は足を止めた。
慶次「覚悟はできてるか?
御殿に入っちまったら、流石の俺もお前を逃がすことはできねぇぞ?」
似生が私の返事よりも早く『ぶー!』と鳴いた。
「やだ、似生ったら…ふふ!
今度はちゃんと覚悟ができてるよ、慶次」
『早く連れてって』
勇気を振り絞り、小さな声で伝えた。