第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
政宗と同じくらい秀吉さんを怒らせるのが上手な人だから、やんちゃな人だとばかり思っていた。
(ここで大人の余裕を見せてくるなんてズルいなぁ)
「私、男の人に慎重なの。もしかしたら1年とか経っちゃうかもしれないけど、いいの?」
慶次「いいぜ?」
ちょっと大げさに1年と言ってみたらあっさりと即答された。
慶次「せっかく見つけたイイ女だ。大事にしねーとな」
思いやりのある言葉にくらっとした。
(気をつけないと、もうすでに口説き落とされそう)
『流されてしまえ』と、揺れる心をしっかりと立て直した。
「ありがとう。この簪は慶次のことをもっと知ってから、私の気持ちに整理がついたら使わせてもらうね」
慶次「それで良い。あと、今度から俺のことで悩むことがあったら、秀吉じゃなく俺に相談しろよ。
他所の男の前で泣いて、秀吉に変な気をおこされちゃあ、かなわないからな」
「秀吉さんが?フフ、まさか!
でもわかったよ。明日からよろしくね、慶次」
こうして各駅停車の切符をゲットした私は、慶次とゆっくりと関係を築くことになった。
城下で逢瀬を繰り返し、城でご飯を食べる時は必ず隣に座り、仕事の合間に行き来して、少しずつ仲を深めていった。
慶次「ほら、これが似生だ!」
「え、お城に連れてきたのっ!?わ、可愛い……」
慶次「御殿にお前を連れ込んだら食っちまいそうだからな」
「え…」
女中1「まあ」
女中2「仲睦まじい…」
時々あけっぴろに言うから女中さんにも聞かれて固まることもしばしば…。
逢瀬中に肩に担がれたりと突拍子もないことをされたけど、慶次はこの夜の言葉を守ってくれた。