第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
「い、今のは、ちょっと我慢したら変な音がしちゃって、ひっく、あれ?ヒック。
今度はしゃっくり?ひっく!」
慶次「ぶっ!この間から思ってたが、面白い奴だな。
人を笑わせようとしなくても笑わせられるんだ、すげえ特技だぞ?」
「ひっく。いや、こんな恥ずかしいの、特技じゃないし。ひっく!」
しゃっくりを我慢したら今度は鼻の奥で変な音がして、最初は笑いをこらえてくれていた慶次も我慢できなくなったのか肩を揺らして笑い始めた。
慶次「あーあ、着飾ってんのに顔はボロボロ、しゃっくりはとまらねえ。
散々だなぁ?」
「からかってないで、何か、ひっく!
飲み物とか、ひっく!
持ってきてくれたっていいじゃない」
慶次「ははっ、すぐ持ってきてやるから待ってろ」
戦から帰ってきたばかりのせいか、部屋には水差しや茶器の類は見当たらなかった。
好意を持ってくれている相手を前にして、しゃっくりを披露だなんて恥ずかしくてたまらない。
深呼吸を繰り返したり、胸をトントン叩いたりしたけど、止まったかなと思うとまた再開される。
用意してもらった水を飲んで数秒、
慶次「お?やっと止まったか?」
「どうかな……ひっく!」
慶次「ぶっ」
「とまらないよ~」
止めようと焦るほどに、横隔膜は元気に跳ね飛んでくれる。
慶次「まったく世話の焼ける女だな」
正面から両肩を引き寄せられ、何をされるのか考える間もなく、慶次の唇が頬に触れた。
熱をもった頬に、しっとりと当てられる唇。
「け、慶次!」
嬉しいと悲鳴を上げながら心臓がバクバク鳴っている。
慶次のこと嫌いじゃないなんて言ったけど、自分の反応を顧みれば、とっくに好きになっていたのかもしれない。
簪を貰ったのがきっかけだとしたら単純にも思えるけど…、でも慶次みたいな人に好きになって貰えて、本当は凄く嬉しかった。