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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)


――――
――

慶次「舞」

「……」

慶次「秀吉の前で口を利けて、俺の前では利けないってか?」

「違う……けど……」


放心状態で何を話していいのかわからなかった。
秀吉さんの前であれほど感情が荒ぶっていたのに、今は頭がぼーっとする。


慶次「まあ、お前が困ってるだろうなと予想していたが、まさかあんなに取り乱してるとは思わなかったぜ」


(気まぐれにあげた簪で大騒ぎして、呆れられちゃった…?)


俯いている私に手が伸びてきて、髪をひとすくいされた。

髪に沿って指が滑っていく様を追いかけ、そこでやっと慶次と目が合った。

初めて見る晴れ着姿は、戦装束とはまた違った慶次の魅力を引き出している。


(もうこうなると俳優の域で格好良いな…)


どんな柄も、どんな色でも自分のものにして着こなす人はなかなか居ない。

そう。なかなか居ない、その人が、私を好きかもしれないとどうしても信じられなかった。


慶次「こんなになるまで泣く必要なんてなかっただろうが。悪かったな」

「わ、私……、こんなお誘い受けたことないから、どうすれば良いのかわかんなくて……」


挿す勇気がどうしても持てなかった簪を、ぎゅっと握った。

緊張と動揺が波のように押し寄せてきて、手が震えている。


慶次「お前の気持ちはわかった。いきなり押し倒すようなことはしねえから安心しろ。
 ただし遊びで誘ったんじゃないってことだけは覚えてろよ」


少しかさついている指先で目元を拭われた。


(遊びじゃないって言ってくれたっ)


胸がじわっと熱くなって、返事をしようとしたらしゃくりあげそうになった。

それを我慢すると喉の奥からくぐもった変な音がした。


(な、なに今の音!)


喉元を押さえて後ろに身を引くと、目を見開いた慶次と目が合った。


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