第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
「慶次ってさ、どこに行っても皆の人気者じゃない。
学級委員長どころか生徒会長とかやってそうだし、通信簿だって9教科オール5で、更に内申点も満点とってそうな人がだよ?なんで私のこと気に入ったのかよくわかんない…」
秀吉「うん?ガッキュウイインチョウが何かわからないが、まあ、人気者だろうがなんだろうが、そいつがどんなやつを好きになったっていいだろう」
「だって釣り合わないもん」
ぐすぐす鼻を鳴らしていると、今度は鼻をかめと懐紙を渡された。
秀吉「周りから見て釣り合ってなくても、本人同士が良ければ良いと思うぞ。
人気があってもな、好きになった女に好きになって貰えなきゃ空しいだけだ」
女性に大人気の秀吉さんが言うと説得力がある。
「そ、そうだよね、失恋は誰でも辛いよね。
……でもその前に慶次が私のこと遊びか本気かわかんない」
秀吉「慶次の肩を持つわけじゃないが、あいつは誰にでも人当たりが良いが、女に好意を見せてるのを見たことがない。
慶次が舞に簪を贈って、俺も驚いたくらいだ。会って話をしてみたらどうだ?」
「う…」
秀吉さんに背を向けて、チーンと鼻をかんだ。
鼻がとおってスッキリすると、少しだけ気分が晴れた…のだけど、はぁ、と大きなため息を吐いた。
「でも本当、全然自信ない。
慶次のことだけじゃなく、普段から思ってたの。
たまたま持ち合わせている500年後の知識が役に立って皆大事にしてもらえてるけど、私ね、未来に帰れば普通なの。
肌や髪が綺麗って言われるけど、未来ではこのくらい普通だし、頭が良い人はもっといっぱいいるし、人に注目されるような特技も持ってないんだよ。
こんな平凡な人間が、歴史に名を連ねる皆と関わってるのが心苦しいの。
だから、だから……慶次に私なんか、合わないよ」
またボロっと涙がこぼれて俯いた。
秀吉「そんなことないだろう。
舞は信長様を救って、その後も俺達のために尽くしてくれてるだろ?
お前が居るだけで、どれだけこの城の雰囲気が良くなったか…」
「ひっく、わ、わかんない」
顔を覆った拍子に簪が畳に落ちて、秀吉さんがそれを拾ってくれた。