第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
秀吉さんがギュウと頭を抱いて慶次の視線から守ってくれて、混乱している今の私にはありがたかった。
秀吉さんに縋っているうちに号令がかかり、隊列がゆっくりと動き出した。
家康と慶次の見送りにきたのに、激励の言葉や手を振って送ることも出来ないまま、二人は発っていった。
秀吉「城に戻るぞ。
舞、お前が慶次のことをどう思ってるか知らないが、嫌なものははっきり断れよ」
「う、うん」
髪に手を伸ばして簪を引き抜いた。
朱色の玉飾りに明るい黄色の花模様が描かれている。
先端に付けられた細い2本の鎖の先に、つまみ細工の花が控えめに咲いている。
(可愛いデザイン……)
ただの玉簪じゃないところが、お洒落好きの慶次らしい。
もう見えない慶次の背中を探し、私は後ろを振り返った。