第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
「簪に何か意味があるの?」
三成「ええ。厄除けなどの意味もありますが、もう一つは…」
親切に三成君が説明してくれようとしているのに、ぐいと耳たぶを引っ張られた。
引っ張り方に覚えがあって、睨むとやっぱり慶次だった。
私の耳の高さまでぐっと体をかがめると、唇が耳に触れそうな距離で囁いた。
慶次「『お前の髪を乱したい』だ。意味わかるか?」
「っ!?やめてよ、せっかく毎朝がんばって結ってるのに」
すぐ傍にある顔に吐息がかからないように文句を言うと、慶次は意味ありげな視線を送ってきた。
これから戦場に行くにしては妙に艶っぽく煌めいている。
慶次「ただぐしゃぐしゃにするわけじゃねえよ。
男が女に何かして髪を乱すんだ。どういうことかよく考えてみろよ」
その言い方にやっと意味がわかり、目を瞠(みは)った。
「ど、どういうこと?え、慶次って、え?」
勘違いだったら恥ずかしくて、『私のことが好きなの?』という問いかけが出てこない。
じっと見てくる視線から逃げだしてしまいたい。
(だって、告白を飛び越していきなり髪を乱したいなんて!!!)
戦国時代の求愛ってこういうものなのか、それとも遊びの付き合いをしようってことなのか、色々考えが浮かんで定まらない。
秀吉さんの腕が私の頭を抱え込み、慶次から強引に引きはがした。
秀吉「慶次、舞は駄目だ、絶対!
いいか、舞、俺が良いと言うまで絶対駄目だからなっ」
慶次「おっと、怖い兄上だな?それじゃあ、皆を待たせてるから行ってくらぁ!
いっちょ大暴れして手柄をとってくるから褒美をくれよ」
秀吉「褒美は舞にじゃなくて信長様に言え!」