第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
「あ、風呂敷を持って行ってくれるの?ありがとう」
慶次「まだ舞みたいに上手く結べねえがな。
着替えが入ってんだ。褌とかな!」
「ふ!?……そ、そうだよね、着替えは大事だもんね」
しどろもどろに返事をしていると、秀吉さんがズイと前に出て、慶次の頭をペンと叩いた。
慶次「いて!」
秀吉「お前なぁ、女の子の前で褌とか言うんじゃねえ!」
慶次「いーじゃねえか!必需品だろう?」
視界にちらちら入る風呂敷包みに下着が入っていると思うと直視できない。
どんな顔をすれば良いのかわからず、慶次と秀吉さんのやり取りを通り越し、遠い目をしてしまった。
(さっきちょっと格好良いと思ったのに、慶次のバカ!)
慶次「そうだ、舞、風呂敷の礼だ」
「え…?」
見ると慶次が風呂敷の結び目を解こうとしている。
「待って、待って!着替えが入ってるんでしょう?
こんなとこで開けちゃ駄目だよ」
両手で顔を覆い、慶次に背を向けていると、結った髪の隙間に、するりと何かを挿し込まれた。
「え……?」
慶次「よし!似合ってるぞ。流石俺の見立てだ」
秀吉「うん……まあ、良い感じだな」
三成「舞様の髪色によくお似合いですね」
口々に言われて頭に手をやると、簪が指先に当たった。
「簪……?ありがとう。誕生日プレゼントだったからお礼なんて良かったのに」
慶次「あの日は色々と舞に楽しませてもらったからな。
その簪をつけて俺を出迎えるかどうかは舞に任せる」
「?」
首を傾げた横で、秀吉さんと三成君が驚いている。
秀吉「慶次!お前、そういう意味で簪を贈ったのか!?」
三成「それはそれは……お二人はそういう仲なのですか?」
慶次は笑みを深くしただけで二人の問いには答えなかった。
話の中心になっているのに、私だけ意味がわかっておらず、恥を忍んで正直に聞いてみることにした。