第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
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どうにか風呂敷の贈り物は間に合い、宴用の着物に着替えて大急ぎで広間に向かった。
宴はもう始まっていて、慶次のお祝いとあってとても盛り上がっていた。
「遅れてごめんね。急だったからたいしたものじゃないけど、お誕生日おめでとう」
早速お酌をしにいき、懐に忍ばせていた風呂敷を渡すと慶次は目を数度瞬かせて受け取ってくれた。
慶次「手ぬぐいはあるって言ったろうが」
「手ぬぐいじゃないよ、それは風呂敷」
慶次の隣に座っていた家康が目を丸くしている。
家康「ど派手……」
「だって慶次が使うんだもの、地味だとおかしいでしょ。
ちょっと貸してくれる?風呂敷って、こんな風に、こうして……こうして……」
現代で風呂敷ブームになった時に覚えておいた結び方を披露する。
慶次「おぉ?」
家康「へー…」
「どう?この結び方、ウサギの耳みたいでしょ?そんでね、こうして、こうして……」
結び目を解き、今度はバッグのように腕を通せるようにして結ぶ。
「こうして荷物を腕に通すと、いざという時に両手を使えるでしょ?」
家康「いざという時は、荷物なんか放り出した方がいい」
ごもっともな意見に少々凹んだけど、慶次の目は好奇心に満ちていたので、少し安心した。
「う、放り出したくない荷物だってあるじゃない。
あとは、こんな感じにすると……風呂敷が巾着袋に変身するんだよ」
家康「…器用だね、あんた」
「私じゃなくて風呂敷を褒めて欲しいんだけど…」
またしても凹んでいると家康がプッと吹き出した。
家康「まあ、風呂敷の新たな使い方があるってのはわかった」
「ふふ、まあ面倒だった普通に使ってね、慶次」
はい、と畳んだ手ぬぐいを差し出すと、風呂敷だけじゃなく、私の手ごと掴まれた。
ん?と見れば、金色の目がキラキラと輝いている。
慶次「今の、もっと見せろよ」
「今のって、風呂敷の結び方?」
慶次「おうよ、舞の結び方、どれも見たことがねえ」
「そ、そう?へへ、じゃあ…これは女性好みなんだけど…」
調子にのって色んな結び方を披露していると、そのうち慶次が懐から手ぬぐいを出して真似し始めた。