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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)


政宗「わかった。舞、そこのゴボウだけ終わらせといてくれよ」

「鬼っ!」

政宗「どうとでも」


たすきがけを取って着物の乱れを直すと、政宗はいつも通りの粋な装いで、ごぼうの汁で顔を汚している自分が余計残念に思えてくる。


政宗「いってくる。投げ出したら承知しないからな」


暖簾をめくって振り返った姿は、悔しいけど様になっていて格好良い。


「いってらっしゃい」

政宗「ついでにささがきにしておいてくれると助かる」

「やだ!」


(そんなことしたらまたゴボウの汁が跳ねるじゃない!)


即、断ると、政宗は笑いながら暖簾の向こうに歩いていった。


(もう!格好良いから何でも許されると思ってんじゃないわよ!)


悔し紛れにごしごし顔を拭っていると、


慶次「舞、こっちを向け」


口に料理を放り込まれた経験から、微妙に警戒しながら向いた…けど無駄だった。


慶次「よっと」


口に食べ物を放り込まれなかった代わりに、濡れた手ぬぐいを勢いよく押し付けられた。


「ぶっ!?」


パイ投げの時のように、手のひらサイズに広げた手ぬぐいを顔にベシャっと。

その状態でごしごし拭かれて息がしづらくて、手ぬぐいが離れる頃には窒息寸前だった。


「ぷはっ!呼吸とかお化粧とかちょっとくらい気にしてよ!」


肩でハアハア息をしていると、慶次が手ぬぐいを折り返して綺麗な面を出している。

もう一度やられてはかなわないと、顔を手でガードする。


慶次「あ?化粧なんて気にしてる場合か。よっぽど汚ねえぞ?
 ほら、細かいの拭いてやるから手をどけろ」


ガードしていた手をあっさりとどけられ、慶次の顔が間近に迫ってきた。


「ちょ、っと…」


笑っている印象の強い慶次が真剣な顔で見てくるものだから、心臓が勝手に飛び跳ねた。

今度はさっきとは打って変わって、部分的にちょんちょんと触れてくるだけだ。

視線を真っすぐにできず、真横に視線をずらしていたけれど、手ぬぐいが唇に当たった瞬間に反射的にのけ反った。

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