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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)


謙信様は大股で近づいてきて、壁際に追い詰め、私の身体を囲うように両手を突いた。


「あの……ここは廊下です」

謙信「わかっている。あと10歩歩けば俺の部屋だと言うこともな」


綺麗な指が近づいてきて左頬を優しく撫でられた。


謙信「今日は安静にしていろと何度も言っただろう?」


言いつけを破り勝手に動き回ったから怒っているみたいだ。
麗しいだなんて甘い言葉を言ってくれたけど、切れ長の瞳がいつにも増して鋭い。


「か、顔が近いです、謙信様!わかっているなら、こういうことは部屋に行ってからにしてください」


逃げようとしたら右手の指を絡めとられて壁に縫い付けられた。


(動けない……)


謙信様が本気を出せば私なんて直ぐに身動きできなくなる。
眼前に迫る憎たらしいほど美しい顔を睨みつけた。


「誰か来たらどうするんですか!」

謙信「ここは俺の城だ、何をしていようが咎める者はいない」

「咎める人が居なくとも、内心で軽蔑されたらどうするんですか。
 とにかく私は嫌です!お離しください」

謙信「俺は静華の愛らしい姿を誰かに見られる方が嫌だがな。
 女の姿はもちろん、男に扮(ふん)しても愛らしい」


薄い唇が寄せられ、口づけされた。


「や、謙信様っ!!廊下は嫌です!!」

謙信「部屋ならば良いのだな。ならば今すぐに…」

「え、ちがっ、待ってくだ、わわっ!?」


ぐいぐい手を引かれて部屋に押し込められた。
危機感を感じて逃げの姿勢をとると、謙信様は意地悪な笑みを浮かべて私を拘束した。


謙信「廊下は嫌なのだろう?静華の願いを聞き入れたのだ、観念しろ」


冷ややかな印象はどこへやら、夫婦になってからは顔を合わせれば楽しそうにしている。


「まだ昼前ですよっ!?」


じりじりと後ずさるも、獲物と見定められたからには逃げられそうにない。


謙信「そんなことは関係ない。お前がそのような恰好をして俺を誘うのが悪い」


いつの間にか袴の紐を解かれていてぎょっとする。

ずり落ちそうになった袴を押さえても、降り注ぐような口づけに手から力が抜けた。


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