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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第22章 あの夜に触れたもの(謙信様・誕生祝SS)


(早く答えろ、これ以上抑えきれない。舞が欲しい)


舞を手に入れられそうで、まだ手に入れていない刹那の時。

戦に向かう時よりもさらに血潮が滾り、心臓が狂ったように脈打っている。

答えを待つ間、熱い視線で想いを送り続けた。

舞はこみあげてくる涙を拭うこともせずに、それは綺麗に笑った。
まるでこの世の幸せを全て集めてきたかのように優しく美しい笑顔だった。


「私も謙信様をお慕い申しあげています。ん!?」


思いのたけをぶつけるように唇を押し付けた。


「あ、まって、ください。誕生日を、ん、お祝いしようと、ひゃ!?雪うさぎを……」

謙信「その話は後で聞く。だから今は舞と想いを確かめ合いたい」

「い、今か…ら?ぁ……」


(生涯不犯を覆したなら舞ひとりを愛しつくす)


朝日が柔らかく差し込んでいた誕生日の朝。
俺は手に入れた鮮やかな光を腕にとじ込めた。




誕生日の宴で俺達の関係は明かされ、例年になく盛り上がりを見せた。
恋仲になったとだけ告げたが、まるで婚姻を結んだかのように次の日も、その次の日も家臣達は目出度いと祝っていた。

一度は俺から愛しい者を奪った家臣達だが、今度は違った。

ついえた恋と何が違うかと考えても答えは出ないが、齢を重ねた先で、わかる日が来るかもしれない。

過去を振り返って考え込むよりも、今は舞が見せてくれる世界を、手を取り合って見ていたい。


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