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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第22章 あの夜に触れたもの(謙信様・誕生祝SS)


(姫目線)

どうしたら謙信様の目に色を取り戻せるのだろう。
二色の目は宝石のように美しいのに、何も映していない。

虫や鳥たちと共に春を謳う花々、深まる緑色の葉が作り出す木漏れ日、どんな匠の織物も適わない錦秋(きんしゅう)、光が雪に反射して放つ虹色の光彩。

どれもこれも……謙信様の目には映っていないのだろう。

私は付かず離れずの距離で話を聞き、さりげなく温もりを渡すだけ。

人の心を感じて触れて、取り戻して欲しい。あなたの心を。
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