第21章 姫は間諜?(隠語・難易度1)
(頭が良すぎるのも嫌だ……)
不用意に口にしてしまった言葉で、信長は舞の秘密を解き明かした。
信長「貴様の身の上はいずれ暴くから覚悟していろと言っておいたはずだ」
信長の手が、着物の袷からするりと入り込んできた。
舞ぎょっとしてその手を掴んだが、その状態でも指は動き、肌を刺激する。
「ま、待った!」
信長「待たん」
「ちゃんとお話ししますから…ぁ」
信長「俺が愛でている間、話して聞かせろ」
「な、なんて羞恥プレイを…」
文句は建前で舞は胸を高鳴らせ、瞳を潤ませている。
信長「プレイ?」
「い、いえ、なんでも、ぁ…、ん」
信長は手慣れた手つきでで腰の帯を緩め、襦袢の紐をほどいた。
色づく肌に口づけするたびに甘い吐息がもれる。
信長「口が留守だ。それで江戸時代とはなんだ。
何もない平地が広がる江戸に、幕府がおかれるとでも言うのか?」
「あん!や、やだ、そんなところ触りながら真面目な話をしないでください」
信長「舞に触れたいが、気にかかることは早く知っておかねばなるまい」
「う……でもそれじゃあ、信長様は私の情報を得るために、その、こんなこと…してくれるのかなって、勘ぐっちゃいます」
信長「俺を疑うとは良い度胸だな。ならばわからせるか、この身体に」
赤い目の奥に狂暴な光が浮かび上がり、舞は目を瞬かせた。
普通の女ならば怖いとおののくところで……
「はぁ………素敵…」
と、表情をとろけさせた。
信長と結ばれた舞は未来の人間であることを告げ、その秘密は信長によって誰にも洩れることなく守られた。
信長だけが知りうる秘密だったため、舞はこの時代の知識を知らずに恥ずかしい思いをすることになるのだが、本人は気にせず呑気に暮らしている。