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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第21章 姫は間諜?(隠語・難易度1)


信長「帰るところがないといっていただろう。
 貴様が望むなら俺が貰ってやる」

「仕方なく貰ってもらっても…。
 愛のない結婚生活なんて嫌ですし、拾った義務感でそこまでしていただかなくても結構です」

信長「だから貴様は阿呆なのだ」

「くっ、バカって言われるよりアホって言われた方がダメージあるのに!
 しかもアホじゃなくて阿呆だし!!キ~~~!」


またしても舞は暴れたが、逃げられないよう足をしっかり掴まれている。


信長「だれが『仕方なく』『義務感』で貴様を貰うと言った?」

「だってそうじゃないんですか?どーせ信長様は、私を娘みたいに思ってるんでしょ」

信長「そんなことを言った覚えはない」

「言われなくても態度でわかりますって」


今や信長の足は天主へと向かう階段を上っている。

城門からずっと俵のように担がれ、舞の頭には血が上っている。
正直、階段を上る振動がキツイ。


「頭に血が……。早くおろして欲しいです、信長様」


自由な手で、信長の背中を軽く叩いて訴えた。
信長が声をかけるまでもなく襖がすっと開いて閉まった。


蘭丸「あれ、この足は誰ですか?」


情報を流していた小姓の代わりに、蘭丸が天主に控えていた。
手を貸してくれそうな人物に舞は助けを求めた。


「蘭丸君?お願い、降ろして~。降りたい!!
 頭に血が上ってどうにかなっちゃいそうなの!鼻血でちゃうかも!」

蘭丸「舞様!?何か、悪いことしたの?」

「うーん、したつもりはないんだけど、なんでかお仕置きなの」

蘭丸「えー?なにそれ」


普通に会話をしているが、舞は信長の背中しか見えないし、蘭丸も舞のお尻と足しか見えない。

信長は自分を挟んで会話をする二人に苛立ち、蘭丸にさがるように命じた。


蘭丸「ごめんね、舞様。信長様の命令は絶対だから!」

「うーん、蘭丸君。あとでめちゃくちゃ愚痴ってやるんだから」

蘭丸「いくらでも聞いてあげるよ!じゃあね☆」


明るい声は去り、舞が落ち込んでいると、信長が屈みこんで降ろしてくれた。

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