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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第21章 姫は間諜?(隠語・難易度1)



家康「舞が……」

三成「内通者……?」


唖然とする二人に、秀吉は肩を落としている。
妹のように可愛がっていた女を疑わなくてはいけない心痛で、大きな体躯は小さく見えた。


家康「気のせいじゃないですか?」

秀吉「まだわからない。何度か商人と会っている場に光秀の部下が立ち合っているんだが、全く意味がわからないらしい」

三成「他の護衛の方達も、一言も言葉を拾えないのですか?」

秀吉「ああ…時折地名や信長様や俺達の名が出てくるだけだ。
 天主で舞が眺めていた布も留守中に調べてみたが、この辺で流通しているものじゃなかったんだ。
 光秀が刺し子に暗号が隠されていないか調べているが、今のところ何もわかっていない」

家康「政宗さんはこのこと知ってるんですか?
 一番に面白がって何かやりそうなんですけど」


政宗の話題になると、秀吉は肩の力をふと緩めた。


秀吉「この件は知っているが奥州で何か揉め事があったらしくてな、そっちにかかりきりになっている」


家康と三成は、ふむとそれぞれ頷いた。


三成「その後、信長様の近辺でおかしなことは?」

秀吉「三日前の農村の視察は問題なく終えたが、昨日、鍛錬場で兵の訓練を見ていたところ賊に襲われた」

家康「三日前か。そういえばその少し前、舞は針子部屋に詰めていたな」

三成「針子の仕事が忙しくて、仕入れた情報を外部に伝える暇がなかったのかもしれませんね」

秀吉「一昨日は外出して、その商人と女に会っているんだ。
 だから信長様が昨日……」


三人の間に重苦しい空気が漂ったが、それを打ち破ったのは慶次だった。


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