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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第21章 姫は間諜?(隠語・難易度1)


――――

数日後、軍議の合間に家康が秀吉に話しかけた。
仕事納めが近い。城勤めの者達は忙しく動き回っており、家康達に気を留める者は居なかった。


家康「秀吉さん、舞の護衛が最近増えたんじゃないですか?
 あの娘は気づいてないみたいだけど、結構な人数がついてますよね。何かあったんですか?」


秀吉の隣に座っていた三成も、


三成「それは私も気になっておりました。
 この間舞様のお部屋を訪ねたところ、天井と床下に見張りが、ムグッ!」


慌てた秀吉が三成の口を塞いだ。
そのまま三成を引きずるようにして広間を出て、人気のない廊下に場所を移した。

用心深く人が居ないことを確認した後、秀吉はヒソヒソ声で話し始めた。
小さな声を聞きとろうと、家康と三成も秀吉に寄り、耳を近づける。


秀吉「詳しいことは話せないが、この件は極秘事項なんだ。
 さっきみたいに人が大勢居るところで口にしないでくれ」

家康「極秘はいいですけど、舞が狙われているなら、それだけでも教えてあげたらどうですか。
 じゃないとあの娘、鉄砲玉みたいな子だから護衛する方が大変だと思いますよ」

秀吉「駄目だ。いいか、舞にも何も言うんじゃない」

三成「それは狙われているのではなく、舞様に何か問題があるのですか?」

秀吉「っ、そんなことあるわけがないだろう。
 舞には何もない。わかったか?」


明らかに『何かある』様子の秀吉に、家康も三成もただ事じゃないと察した。


家康「そう言えば……」

秀吉「な、なんだ」


過剰な反応を見せた秀吉を、家康がジトっと目を向けた。


家康「その反応…、秀吉さんは何を知りたいんですか」


気になるという顔をしながら、聞きたくないとでも言うように苦しげな顔をしている。

三成も紫の目で秀吉をじっと見ている。
二人の視線を受けて、秀吉は観念した様子で『実は…』と切り出した。

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