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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第20章 空からサンタが降ってきた(謙信様)


―――

舞「それでね、畳の縁ってあるでしょ?
 最初の頃、信玄様は『畳の縁を越えない』って言っていて、それで…」

「うんうん、それで?………へーそうなんだ………ムフフ」

舞「やだ、舞さんったら、変な笑い方をしないでください」

「だって越えないって言っていた信玄様が、抑えきれない感情で越えてしまった時なんて、キャーってなっちゃうんだもん。
 この場で悶え転がりたいくらいだよ」

舞「ふふ、舞さんったら」

「きゃーん、舞ちゃんって本当に可愛いね!笑い方も私みたいに『あはは』じゃなくて『ふふ』だもんね。
 おしとやかだし信玄様と凄くお似合いだよ~。
 何回も言うけど両想いになれて良かったね。信玄様の病気もすっかり良くなったし」

舞「色々ありましたけど信玄様と一緒に居られて今は幸せです」

「だよね、私も謙信様と一緒に居られて幸せ。わかるな~」


嬉しいことのもう1つは、目の前の舞ちゃんだ。
そう、なんと戦場で会った女の子は信玄様ルートの姫だった。

ストーリーは知っていたけど、実際は見ていられないくらい辛く苦しい恋だった。
全力でサポートにまわりたいところをなんとか我慢し、本家のストーリーと変わってしまいそうな時だけ助け舟を出すに留めておいた。

その甲斐あって二人は無事にハッピーエンドを迎えた。
信玄様の躑躅ヶ崎館に行ってしまうのかと思いきや、しばらくは春日山に居たいと留まっている。

500年後から来たので共通の話題があるし、現代人ならではの戸惑いや困った!を共有して、とても仲良しになった。

500年後と言っても私の居た世界と舞ちゃんと佐助君が居た世界は違う。
けれど今を生きて、苦しみ、泣いて、笑っている人達がいる。
必死に生を営む人達に、ここがゲームの世界だとはどうしても打ち明けられず、私が現実世界から来た人間であることは秘密にした。謙信様にさえ…。

流れ星にお願いしたから来られたのかなと、あまり深く考えないようにしている。

だって最推しの謙信様と両想いだなんて奇跡だ。幸せの絶頂を知って今更元の世界には戻れない。


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