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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第20章 空からサンタが降ってきた(謙信様)


(謙信様の顔、見れなくなってきた!)


謙信様は照れもせずクールな表情で周囲の様子を確認している。


信玄「やーっと、行けそうか?」


声がした方を見ると信玄様が乗った馬が横付けされていた。
信玄様は珍しいものでも見るように含み笑いをしていて、謙信様が不機嫌な声で応じた。


謙信「行くぞ」

信玄「よし、撤退!」


声があがると馬の筋肉が溜めを作るように一瞬縮んで、力強く走り出した。
一斉にどどっと馬が走りだし、砂埃が舞い上がる。

横座りしている私は進行方向とは違う方を向いていて、砂埃の向こうに黒馬を見た。

馬には黒い鎧をまとったイケメンが乗っていて、すぐに信長様だとわかった。
その後ろに誰か乗せている。


「あれは……」


私よりも少し若い女の子だ。
その女の子と私は、距離があったにも関わらず目が合った。


「あ」

舞「サンタクロースだ!信長様、あそこにサンタが居ます!」

信長「三太?」


頭にかぶっている真っ赤な帽子が、遠目にもはっきり見えたんだろう。
女の子が私を見て大興奮している。


(主人公の姫だ!)


そう確信した時には進路が変わってしまって二人の姿は見えなくなった。


謙信「速度を上げる。舌を噛むなよ」

「は、はい!」


疾走する馬上は大きく揺れ、何かするとすぐに落ちそうだった。
落ちたらあの世行き決定だと必死に掴まっていると、謙信様の右腕が私の腰からお腹に回った。
安定感が増し、負担を感じていた腕が少し楽になった。
しっかりと支えてくれる腕はなんなく私を支え、片手で馬を操っている。


(見ず知らずの私を支えてくれるんだ…)


特別な感情を持たれていないことはわかっている。
それでも最推しキャラの謙信様が私に触れているという、あり得ない事態に心臓が爆発しそうだった。


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