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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第20章 空からサンタが降ってきた(謙信様)


謙信「黙れ、信玄。お前もこの女が空から降ってきたのを見ていただろう」

信玄「ああ、見ていたよ。どうせなら俺のところに降ってきて欲しかったがな」

謙信「そんなに欲しければくれてやる。信長とやり合う絶好の機会だというのに、女にかまっている暇はない」


(そんなあ…)


謙信様が私を信玄様に引き渡そうとしたので、悲しくなって目で訴えた。
邪魔だ、要らない。言外にそう言われて、悲しくて……

目を潤ませた私に気が付き、謙信様の眉間にキュッと眉が寄った。


謙信「っ、そんな目で俺を見るな」


二色の瞳が狼狽えるように揺れている。


「だって…」

信玄「まあまあ。お前の上に降ってきたんだから何かしらの縁があるんだろう。
 今日は信長との顔合わせの予定だったから、もう潮時だ。引きあげるぞ」


信玄様が撤退の命を出すと静まっていた周囲が騒がしくなった。
もしかして置いて行かれるのだろうかと不安になり、謙信様を見上げると底冷えした視線とぶつかった。


(う、この蔑んだ眼差し。ブリザードだ…)


文字を追っていた時には『冷ややかな視線を受けて…』という文章も余裕で読んでいられたけど、今は絶対零度の冷気を感じて『ひ~』と亀のように縮こまった。


謙信「本意ではないが戦場に女を捨て置くわけにはいかない。
 俺の馬に乗せてやる。そこが一番安全だ」

「あ、ありがとうございます」


怖がっていたのを忘れ、このままバイバイじゃないんだと感激した。
万歳したいくらい嬉しい。

謙信様は一旦私を地面に降ろし、ケーキの箱を取り上げて近くにいた兵に渡した。


謙信「早く乗れ。俺が去らなくては、ここを守っている兵達が動けない」

「あ、でも、馬に乗ったことがなくて…」


ミニスカートのワンピに目を留め、謙信様は苛立たしげにため息を吐いた。
手間がかかると呆れているんだろう。


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