第20章 空からサンタが降ってきた(謙信様)
ここ数年私の心を離さないのは戦国武将の上杉謙信様だ。
細身ながら着物の下はさぞかし肉体美が凄いだろうと、自分も負けていられないと頑張った。
一日置き換えプロテインと地味な筋トレ&有酸素運動を続けること半年。おかげでメリハリボディになってきた。
今なら推し彼の前で、恥ずかしがらずに肌を晒すことができる?だろう。
謙信様のために頑張ったのに、スタイルが良くなったと男子学生にエロイ目で見られるようになったので、キャンパス内はダボっとした服で過ごしている。
そんな私が欲しい彼氏とは、やっぱりリアルの男性じゃなくて、推しの彼女になりたいというとんでもない願望だ。
「『サンタクロースがケーキを届けに来ました!』って会いに行きたいな」
でも彼は甘いのが嫌いだから『甘味などいらん』とか言いそうだ。
むしろ怪しい格好をした私に斬りかかってくるかもしれない。
「でもなんだかんだ女の人には優しそうだから、斬りかかってくるっていうのはないのかな。
そういう硬派なところが好きなんだよね。うふふ」
押しのパワーは偉大だ。
こうして妄想しているだけで心がふんわり温まる。