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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第19章 蘭丸君とメリークリスマス(2022年)


秀吉「さっき城内で発砲音があったが、知っているか?」

蘭丸「えー?俺達、実験に夢中で気が付かなかったよ。いつのこと?」


蘭丸君は演技力抜群というか、すごくナチュラルにしらばっくれ、私はボロを出さないようにこくこくと頷くだけにしておいた。


三成「まだ四半刻も過ぎておりません。
 家臣達はこちらの方角から音がしたと証言しておりまして、調査に来てみたのですが……。
 お二人ともご存じないようなので違う部屋をあたってみますね」


どうやら疑いは晴れて、二人の意識は他に移ったようだ。
ところが…


秀吉「変な実験してないでちゃんと夕餉を食べろよ。
 ん?舞、あの短刀は何かあったのか!?」


秀吉さんと三成君が天井に刺さった短刀をみて気色ばんだ。
匂いばかり気にして短刀のことをすっかり忘れていた。


「あ、あれね!えー、あー、曲者の気配がした時のために、短刀を投げる練習をしていたんだ。
 上手くいったから、記念にそのままにしてるのっ♪すごいでしょ?秀吉さん!」


無邪気に喜び、褒めてもらおうとする女を演じる。
言い訳はさっきから綱渡り状態で内心ひーひー言っている。


秀吉「危ないじゃないか!そんなこと練習しなくて良い。
 まさかと思うが一人で練習していたのか?」


秀吉さんの眉間にぐっと皺が寄り、説教モードに入りそうだ。どうしよう、ピンチだ。


蘭丸「ちゃんと見ていたから大丈夫だよ、秀吉さん。
 それより曲者を探している最中なんでしょ?早く行った方が良いよ」

秀吉「そうだな。いいか、舞?今後短刀を天井に投げる練習は禁止だ。
 お前は針子なんだから、手に傷がついたら大変だからな」

「はい」


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