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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第19章 蘭丸君とメリークリスマス(2022年)


「きっとサンタさんはお腹すいてたんだね。
 じゃあ干し肉と、蘭丸君が用意してくれた軽食を食べようか」

蘭丸「その前に!舞様がもらったそれは何?」

「これ?これはクラッカーって言って、宴を盛り上げる道具だよ。
 せっかくだから食事の前にパーンとやっちゃおうか!」

蘭丸「ぱーん?」


どんなものか想像できていない蘭丸君を立たせて、クラッカーを持たせた。
きっと驚くだろうなとワクワクした。


「いい?いっせーので、この紐を思い切って引いてね!
 中途半端に引っ張ると不発になるから、思いっきりね!」


せーので紐をひくと、パーーーーン!パーーーーン!と凄い音がして、細く切られた紙が飛び出した。
景気の良い音に気分がスカッとした。


「わあ!すごい!スッキリした~~!」

蘭丸「びっくりした。本当にパーンといったね☆俺もスッキリした」

「えへへ、でしょ?こんな感じで、宴の始めにクラッカーを鳴らして盛り上げるんだよ」

蘭丸「なるほどね」


火薬と煙の臭いが部屋に充満したので、襖をあけて空気の入れ替えをしていると、何やら遠くが騒がしい。


蘭丸「どうしたんだろう。曲者でも出たかな…」


ちょっと凄い忍者と謙遜しているけど、佐助君の腕は確かだ。
でも今日はクッキーがのったお皿を持っているし勝手が違って見つかってしまったのかもしれない。
心配になって耳を澄ませた。


家臣1「城内のどこで発砲があったんだ!?」

家臣2「2回発砲音がしたぞ。曲者は少なくとも2人だ!」

秀吉「明かりを増やせ!曲者を逃すなよ!信長様の警護を手厚くするんだ!」

家臣3「はっ」

「…………」


ススス…パタン

クラッカーの音を発砲音と勘違いして城内が大騒ぎになっている。
まずいと思って襖を閉めた。


「………」

蘭丸「………ぷ」


どうしようと顔を見合わせたら、蘭丸君が吹き出した。


蘭丸「まずいね、俺達は楽しかったけど♪」

「あははは……まさかこんなことになるなんて」


蘭丸君は襖とは逆の方角にある窓と、寝室の窓を開けて空気の入れ替えを始めた。

数分経って煙は消えたけど匂いは残り、このままだと秀吉さんあたりに大目玉をくらうのは目に見えている。


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