• テキストサイズ

☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第19章 蘭丸君とメリークリスマス(2022年)


蘭丸「この形はじんじゃーまんだったよね。可愛いからどこから食べようか迷っちゃうな」

「だよね~。っていう私は一口でいっちゃうけど」


ポイっと口に放りこむと、蘭丸君も私の真似をして一口で食べた。


蘭丸「うん!ショウガの風味が良いね、美味しいよ!
 舞様が作ったお菓子を食べられるなんて嬉しいな」

「こんな感じで良ければいつでも焼けるよ?」

蘭丸「本当?じゃあ、今度甘えちゃおうかな」

「ふふ」


失礼しますと声がかかり、女中さんがお茶と軽食を持ってきた。
お膳には小さなおにぎりや、小魚の佃煮、根菜の煮物が入った小鉢が並んでいる。


蘭丸「この時間にお菓子を食べたら、普通の夕食だと多いかなと思って軽いものを頼んだんだ」

「ありがとう!」

蘭丸「どういたしまして♪ご馳走は明日にしようね」

「え?」


今度は蘭丸君が『え?』という顔をしている。


蘭丸「だって、クリスマスはご馳走を食べるって言ってなかった?」

「言った、うん、確かに言いました。覚えててくれたの?」

蘭丸「やだなー、ついさっきのことを忘れるほど、おじーさんじゃないよ、俺は」

「それは分かってるよ!サラッと説明したから、覚えていてくれてびっくりしたんだよ」


ふーん、そうなんだ、で終わったと思っていたのに、明日のご馳走まで考えてくれて凄く嬉しい。


蘭丸「舞様の中で、俺はそんなに薄情な人間なんだ。傷つくなあ」

「ご、ごめんね。全然そんなつもりじゃなかったの!
 蘭丸君は気遣いのできる天才だよ…って笑ってるし!」

蘭丸「焚火の時のお返し!」

「やられた……」


和やかに過ごしていたその時、楽しそうに笑っていた蘭丸君の表情が、突然無機質なものに変化した。

気に障ることを言っていないし、どうしたんだろうと首を傾げていると、蘭丸君は着物の袖から短刀を取り出して引き抜くと、天井に向かって投げつけた。


(えぇ!?)

/ 1022ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp