第19章 蘭丸君とメリークリスマス(2022年)
「うん!この日はケーキっていう甘いお菓子を用意して、ごちそうを作って、贈り物の交換をしたりするんだよ」
蘭丸「へえ、楽しそうだね。あ…、だから舞様は遠いところに居る家族や友達に文を書いたんだね」
「うん!クリスマスに会えない人にはクリスマスカードっていう文を送るの。
ケーキは無理だったけど、クッキーっていう焼き菓子を作ったんだ。
雪だるまや、靴下、ツリーとか、あとジンジャーマンの形にするの、ちょっと大変だったんだから!」
蘭丸「じんじゃあまん?」
「直訳するとショウガ男…だね」
蘭丸「ショウガ男か……ふふ、どんなお菓子なんだろう」
センスのない訳に、自分でもクスっと笑ってしまった。
「ジンジャーマンはショウガ風味で、小人みたいな形だよ。
良かったら蘭丸君も一緒に食べる?」
蘭丸君は途端に目を輝かせた。
もしかして蘭丸君はお菓子好きだったりするのかな。
思えば蘭丸君についてあまり知らない。仲が良いし、話しやすいから凄く親しくなったと思っていたけど、聞き上手だからいつも私ばかり話していた。
お菓子を食べながら蘭丸君の好きな食べ物を聞いてみることにした。
「あ、でもその恰好だから、今から出かけるところだった?」
蘭丸「帰ってきたところだから大丈夫!ちょっと知り合いに会ってきただけ。
着替えてから部屋にお邪魔するね!楽しみだ☆」
「うん、わかった!じゃあ、ここ片付けたら部屋に戻るから先に行ってて!」
蘭丸「大丈夫?手伝おうか?」
「このくらい平気だよ。じゃあ、またあとでね」
蘭丸「じゃあね!」
1人クリスマスが2人になったことで、さっきまでの寂しさはなくなっていた。