第19章 蘭丸君とメリークリスマス(2022年)
「ううん、蘭丸君には負けるよ。
顔立ちがすごく良いから役者さんとか、踊りながら歌う歌手になれそうだよ?人当たりも良いから人気でそうだね!
そうなったら私が付き人になりたいなぁ」
蘭丸「舞様が付き人!?俺の?
だめだめ!そんなことさせられないよ!
「えー、そんなに拒否られると傷つくな。さっきは大好きって言ってくれたのに」
わざとらしく泣き真似をすると、蘭丸君が目を丸くしたのちに、大爆笑した。
蘭丸「ハハ!良かった舞様が元気になって。
大好きだから付き人なんてさせられないんだよ。第一、俺、小姓だよ?
人の世話も自分の世話もちゃんとできる」
「はっ!そうだよね。蘭丸君はスペシャリストだった」
蘭丸「すぺしゃりすとって何?」
「その道の達人のことだよ」
信長様の小姓なんて、現代で言うと秘書とSPの仕事を両方兼ね備えた、超エリートだ。
そんな人の付き人なんて、きっと役にたたなさそう…。
蘭丸「俺は誰かについて歩く方が好きだから舞様に付き人になられたら、困っちゃうよ。
守ってあげなくちゃいけないのは舞様だしね!
そうだ!この世の人じゃないって秘密を聞いちゃったんだから、どうせなら舞様が住んでいたところの話を聞かせてよ。なんでも良いからさ♪」
「ん?そうだなぁ…」
現代の知識で当たり障りない話……少し迷ったけれど、うってつけのネタが思い浮かんだ。
「そうそう、師走の24日はクリスマスイブって、家族や友達と過ごす日なの」
蘭丸「師走の24日って、今日のこと?」