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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第18章 生き標(謙信様)


あれから紆余曲折を経て、私はあなたの…謙信様のお傍に居る。

この時代に完全に馴染んだわけじゃない。
時々自分を見失いそうになるたびに、謙信様が私を立ち止まらせてくれる。

心の中に必死に響いているものがなんなのか。
渦巻いている気持ちの根底に何があるのか。

誰にも知られたくなくて、静かに苦しむ私に寄り添ってくれる。


歴史に名を残す人の隣で、私ができることはなんだろうかといつも考えている。

謙信様の手を取り、想い、生き続ける。
何にも秀でていない私は、真っすぐな愛を伝え、あなたの心を守るために生きることしかできない。

初めて愛することを知った私は、盲目のようにあなたを愛する事しかできない。


謙信「それで良い。お前はそこに居るだけで俺の生きる標(しるべ)となっている」


謙信様はいつもそう言ってくれる。

嬉しい。

居てくれるだけで良いなんて。
私だって謙信様の存在自体が標になっている。

愛し、愛されて、溢れるこの気持ちは止まらない。


「謙信様に出会えて幸せです」

謙信「俺もお前に出会えて幸せだぞ?」

「ふふ…、嬉しいです」


あなたに救われた命で、いつかお役に立ちたい。

まだどんな形で実るかわからないけど、謙信様のためにできることをしたい。

あなたが治める国のために
あなたを慕ってついてくる人達のために

今はまだ胸に秘めた小さな想いでしかない。
いつか花開かせられる日を夢見ている。

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