第18章 生き標(謙信様)
謙信「自由に生きろ。ただし、羽ばたいてどこかへ行ってくれるなよ?」
「ふふ!そんなこと絶対しませんよ。謙信様に心臓を射抜かれていますから」
謙信「心の臓を射抜かれたら死ぬだろう…」
「いや、そういう現実的な話じゃなくて…。えー…心を射止められる?っていう表現なら伝わりますか?」
いっつもクールな顔をしているくせに、そんなに嬉しそうな顔されると…
好きが止まらなくて困る。
ちゅっ
謙信「っ」
「……へへ……謙信様の唇を奪ってやりました」
キョトンとしていた顔に、途端に悔しさが滲んだ。
謙信「ならば奪い返すまでだ」
「え!?んん………!」
勝負魂に火がついた謙信様に唇を貪られた。
「ん!んっ!!(ここ!廊下っ!!)」
謙信「なんだ?もっと欲しいのか?」
「ちが、んっ~~~~~!」
今はあなたの腕に囲われて、守られてばかりいる私。
だけど、いつか私も守れる人になりたいな
謙信様が私にしてくれたように……
「も、もう!仕方のない方ですねっ!人前でこんなことする方は嫌いですっ!」
謙信「っ」
言った傍から守るどころか揶揄っている私だけど。
本心は、
…………愛しています、謙信様
END