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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第17章 あなたの愛に完敗(光秀さん)(R18)


「前に注意されていたのに、ごめんなさい。身に染みましたのでもうしません。
 ……早く終わったので光秀さんと一緒に寝たかったんです」

光秀「わかっている。でなければお前が寝間着姿で徘徊するわけがない」


素直に謝ると光秀さんは厳しい顔をやめて目元を和らげた。
けれどそれは一瞬のことで瞬く間に意地の悪い顔に変わる。

油断させておいて警戒させる。
光秀さんにはいつも動揺されっぱなしだ。


光秀「それとも俺以外の誰かのところに行くつもりだったか?」

「まさか!私が光秀さん以外の男性のところに行くわけがないでしょう?」


愛されていると絶対的に自信を持っているはず。でも光秀さんは時々こうして気持ちを確かめてくる。


「光秀さんは働きすぎて無理をするところ以外は非の打ちどころのない恋仲です。
 夜更けに会いに行くとしたら光秀さん以外ありえません。いっつも愛してますって言っているでしょ?」


(久しぶりに会ったから言葉が欲しいんだよね)


光秀さんの胸の内が少しだけ垣間見えて、それが可能になった自分にも嬉しくなった。
光秀さんの寝間着の袖をギュッと握り、愛しい人を見上げた。


「光秀さん、愛しています。さっきは断ってしまったんですけど、一緒に寝ませんか?
 久しぶりに帰ってきてくれたので一緒に居たいです」

光秀「ああ。もちろんだ」


暗がりで光秀さんが微笑み、そのまま私の手を握って寝室に行こうとした。


(あれ?)


気になって振り返ると、お盆にのったお酒は手つかずのままだ。


「あの、光秀さん。お酒を飲まないんですか?」

光秀「あれはもう必要ない」

「そう…なんですか?」


(夜中にわざわざ取りに行ったのに?)


頭上にクエスチョンを浮かべていると、光秀さんの唇に艶のある笑みが浮かんだ。


光秀「鈍いな。舞が居ない寂しさを紛らせるために用意した酒だ。
 お前が来たなら、もう必要ないだろう?」

「え………っと、え………?寂しかった…んですか?光秀さんが?」


『今夜は一緒に寝られません』と言った時はそんな様子はまったくなかった。
残念そうにするでもなくケロッとした顔だったから、こっちの方が寂しかったくらいだ。

心情を隠すのが上手すぎる。


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