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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第16章 輝く世界(慶次)


慶次「あ?他に誰が居るっていうんだよ」


目の前のイケメンが言葉を発すると、慶次の声がした。


(慶次だ…うん…。そうだよね、他に人は居ないし、声がそうだし…)


「………」

慶次「どうした。お館様みたいにイイ男じゃなくてガッカリしたってか?」

「違うよっ。クマみたいな人だと思ってたから、お洒落で格好良くて…びっくりした」


慶次は身体を見下ろして着物を見た後、眉間に皺を寄せた。


慶次「クマみたいとは随分だな」

「見えなかったんだから仕方ないでしょ。しかもちゃんと『お洒落で格好良い』って言ったじゃない。でも本当びっくり…」


しげしげと慶次の顔を見つめると、ふいと顔を逸らされた。


慶次「急に目を開けられてびっくりしたのはこっちだ。
 そんなに大きく開けたら目が落っこちそうだ、そろそろ閉じろ」

「目が落ちるわけないでしょう?」


(慶次ってこんなムチャクチャなことを言う人だった?)


おかしいなぁ、とクスクスと笑ってしまった。


慶次「良かったな…って言ってもいいのか?」

「え?」


慶次はいつの間にか私に向き直っていた。


慶次「舞は見えなくても良いって思ってたんだろ?
 お前が喜んでいないなら、俺の価値観で物を言っても傷つけるだ」


強引に距離を詰めてくる時もあったのに、大事なところでは人を気遣ってくれる。
凄く繊細な人だと思った。

命を取り留めて『奇跡』だ、『おかわいそうに』と言われて傷ついていた私を知らないはずなのに…。

胸がフワフワと軽くなり…………桃色に色づいた。


「気遣ってくれてありがとう。以前は見えなくても良いって思っていたの。
 でもね、今は凄く嬉しいって思ってるよ。慶次の顔を見られて良かった」


慶次が意地の悪い笑みを浮かべた。


慶次「へぇ、舞は俺のことよっぽど好きなんだな」

「はっ?そんなこと言ってない!
 じ、自意識過剰なんじゃないのっ?」


色づいた胸の内を隠して悪態をついた。


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