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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第16章 輝く世界(慶次)


慶次「どこをどう見ても素直な女が、自分でひねくれてるって言うし、俺のことを明るくて真っ直ぐだなんて言うからおかしくてな。
 ひねくれてるってのは、俺みたいな人間のことだろ?」

「んー…そうかな?根っこの部分は真っすぐで優しい気がするよ?
 本当にひねくれてどうしようもない人は前なんか向かないし、人を前に向かせる力もないよ。慶次だって自分のことを悪く言わないで、胸を張れば良いじゃない」

慶次「ばーか、そんな風に受け取るのは馬鹿正直な舞だけだ」

「む、馬鹿って言った?しかも2回も!」

慶次「ああ、言った」


きっと意地悪な顔で笑っているんだろう。見えないけど声のニュアンスでわかる。


「もう~~~!自分の部屋に戻る!言っておくけど付いて来ないでよ。
 歩く練習をしてるんだから」


立ち上がってしっかりとした足取りで襖まで歩いた。
最近は目が見えなくても方角を把握できるようになって、自分の進歩がちょっぴり誇らしい。

廊下に出て、慶次にお暇の挨拶をしようと身体の向きを変えた。


慶次「三成みたいに柱に頭をぶつけんなよ」

「大丈夫!杖を貰ってから、ぶつかったり転んだりする回数が凄く減ったから!」

慶次「そりゃあ良かったな。気をつけて帰れよ」

「また明日も来ていい?」

慶次「明日は登城しない。俺に会いたいなら御殿に来いよ」

「御殿は遠いから流石に一人じゃ無理だよ…。じゃあ明後日ね」


目が見えない私がフラフラ歩き回ったら、護衛についた人達に余計な気を揉ませてしまうだろう。
それはちょっと申し訳ないので出来ない。


慶次「最近似生が舞に会いたがって、イノシシの如く走り回って困ってんだけどな」

「え?ほんと?じゃあ、行こうかな」


ぷ、と吹き出すのが聞こえた。


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