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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第16章 輝く世界(慶次)


――――
――

鍛錬場に連れて行ってくれた後も、慶次は私の面倒をよく見てくれた。

何かと理由をつけては毎日外に連れ出してくれて、紅葉が始まっているとイチョウの葉を手に握らせてくれたり、野菊が咲いていると匂いを嗅がせてくれた。

御殿に招待された時は、何も知らずに座っていたら着物の裾を何かに引っ張られた。


「慶次…?」


違う気がして手を伸ばすと、ヒクヒク動く鼻のようなものを押し付けられた。
犬や猫にしては鼻が大きい。


慶次「袖を引っ張ってんのは俺じゃない。何が居るかあててみな」

「そんな無茶な…」

慶次「簡単だ。触っても噛まないから触ってみろよ」

「え?え?」


ぐいと手を引かれて、おっかなびっくりで触ってみる。


(は、爬虫類系じゃないよね…)


肝を冷やしたのは一瞬で、手に触れたのはヒンヤリとした身体ではなく、ちゃんと温かかった。


「んー…毛はそんなに多くないね。産毛程度?
 犬や猫より大きいけど…そんなに大きくないね」


猫科の動物のような機敏性はない気がする。
『うーん』と考えていると、その生き物は私の膝に前足を乗せた。


ぶっ、ぶっ、ぶー


「……」


(い、今、ぶーって言った!!)


あっけなく答えがわかってしまって、吹き出した。


「……ぷ、あはは。ブタさんだね?
 ブタを触ったのはじめて。もっと触らせて?」


まあるいボディをよしよしと撫でてあげる。


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