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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)


「っ」


流れ出た血で手が滑り、刀が落としてしまった。拾おうと屈んだ拍子で眩暈がして膝をついてしまった。


(毒のまわりが早い…頭がくらくらする…)


チャキ…


相手の刀先が目の前につきつけられた。


忍び1「ふん、下働きの男かと思えばお前は小姓だな?随分と綺麗な顔だ。謙信が色小姓を傍に置いているという噂は本当なのか?」


答えろと脛を蹴られた。

頭にきたけど斬りかかっても勝ち目はない。
できるのは時間稼ぎと、目の前の男達がどこの手の者か知ることだ。


「さぁ、そのような者は知りません」


含みを持たせた眼差しを送り、私の思惑を隠してこちらに誘う。


忍び1「その色小姓を連れてこいとの命令だ。お前で間違いなさそうだな」


刀を失い、怪我をしている女のような男。だからとなんの警戒もなく近づいてきた男の足の甲に、引き抜いて落ちていた毒矢を思いっきり突き立てた。

男が叫び声をあげたところで、刀を奪い取って動きを封じた。


「動くと首を斬る」


おとなしくなった男の懐や腰を弄り、手裏剣と苦無を取り上げた。
自分の懐にそれを仕舞いこみ、刀の柄を首に打ち付けて昏倒させた。

倒れた男に用はない。まだ無傷の忍びがあと二人居る。


「逃げなくても良いのですか?ここは春日山城。もうすぐ謙信様達がやってきてしまいますよ?」

忍び2「お前ひとりを攫うくらい容易い」


この状況で心が凪いでいるのは…きっと謙信様のために戦おうとしているからだ。

普通ならば小姓見習いならば見殺しにされる。
けれど謙信様は…そういうお人ではないと知っている。

謙信様の足枷になるくらいなら抵抗し、戦って死のう。

あの方のためなら、命も惜しくない。
そう思わせる何かを謙信様は持っていた。


もっとあの方を知りたかったけど
ここにいる間は死にませんと約束したけど



……無理みたいだ


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