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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第15章 secret word(政宗)


――――

女中さん達が一刻かけて準備をしてくれた結果、外見(そとみ)だけは本物のお姫様みたいになった。

ただし準備が終わったと立ち上がった途端、着物の裾を踏んづけて転びそうになったけど…。

迎えにきてくれた政宗にその瞬間を見られてしまい、大笑いされてしまった。

気にするなって言われたけど、少し気分は下降気味だ。
煮豆を食べたいのにツルっとお箸から逃げられて、沈んだ気持ちがさらに下へと引っ張られた。

私の気持ちとは関係なく宴は盛り上がり、政宗が作ったホッキ貝の料理も好評だった。


光秀「今夜の小娘は馬子にも衣装だな。どれ、よく見てやろう」


今夜の最重要危険人物に話しかけられて急いで座布団を指し示した。


「お言葉だけありがたく受け取っておきます。よく見なくても光秀さんの席から充分見えますよね?
 そこの座布団からこっちには来ないでくださいね。今夜は政宗にお酒を飲ませちゃ駄目な日です」


今夜の座り順は光秀さん、家康、私、政宗だ。
政宗は席を外して秀吉さんにお酒を注ぎに行っている。

政宗の料理やお茶にお酒を仕込まれてはいけないと、空席を死守する。


光秀「それはどういう意味で駄目な日なんだ?」

「それはですね……‥」


『え』の続きをしたいとは言えなくて口ごもる。
楽しみにしている今夜を想像しそうになって、慌てて妄想を追い払った。

相手は光秀さんだ。変な顔したら絶対見破られる。


家康「そういえば厨の前で今夜は『え』がどうのこうの言ってたよね」

「政宗って好奇心旺盛でしょ?500年後の着物を見たいって言うから、今夜はドレスの『絵』を描いてあげる約束してるんだ!
 だから飲ませちゃ駄目だからね」

家康「ふーん…」


(我ながら上手く誤魔化せた!……ん?)


ふと光秀さんの視線が政宗に向いていることに気が付いた。


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