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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第15章 secret word(政宗)


――――

それから一刻後

胸を騒がせながら作った煮物は、教えてもらった時よりも少しだけ甘くなってしまった。


政宗「ん……この間よりか少し甘めの仕上がりだが、良いんじゃねぇの?」


味見する政宗の口元を見ていられない。

今夜私が『え』をしたら、その色っぽい唇で貪られるかと思うと…
肌を伝う舌の感触を思い出し、ゾワリと鳥肌がたった。


(こんな想像してモヤっとするなんて欲求不満なのかな…)


政宗「どうした?料理酒でも舐めたような顔してるぞ?」

「な、舐めてないよ。ただ政宗のことを考えながら煮物を作ったら甘くなっちゃって…」


目の前に居るのに恋しい気持ちが止まらない。
その広い胸に飛び込んで、今すぐ抱きしめて欲しい。


「ごめん、やっぱり作るんじゃなかったね…」


言葉と思考がズレすぎてワケわかんなくなってきた。
ここには人がたくさん居るのに何を考えているんだろう。


政宗「……美味くできているが、ここの連中には食べさせられねぇな」


そう言って政宗は厨番の人に煮物を御殿に届けるように命じた。
美味しいって言ってくれたのに宴に出さないなんて、そんなに甘すぎただろうか。


政宗「俺を想いながら作って甘くなったんなら、原因は砂糖じゃなくてお前の気持ちだ。
 食べる権利は俺にしかないだろ?」


(なにそれ!『愛情込めて作りました』みたいな??)

(好きとか、ドキドキするとか、カッコイイとか、そう思いながら作ったけど……)


それら全部が愛情に結びついているってわかってるけど、それが料理の味を変える調味料にはなりえない。


「なに言ってるのよ。砂糖だよ、それしかないって。
 いくら私が政宗のこと好きだからって……」


そこまで言いかけて、いかに恥ずかしいことを口にしているのか気づいて口を閉じた。


政宗「舞が俺のこと…なんだって?」


わかっているはずなのに言わせようとしてくる。


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