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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第15章 secret word(政宗)


息が上がってきて腰が抜けそうになったところで政宗の唇が離れた。


「ん……」

政宗「続きはまた後でな?」


政宗の唇の端っこに紅がついている。


「続きはって…もう!困るよ、こんな所で!
 あと、その……ついてるよ」


唇の端を指でトントンとすると、政宗が親指でグッと紅を拭いとって舐めた。
豪快な仕草が政宗らしい。


(政宗、かっこいい……)


口付けで身体の奥に灯った火が熱い。
仕草ひとつで惹きつけられる私は、どうしようもなく政宗に惚れている。


政宗「いいな、これ。最高の隠し味だ」

「っ!!そんなの隠し味にならないよ…」


真っ赤になっている顔を見られたくなくて顔を逸らした。


政宗「さっきの答えを教えてやる。ホッキ貝はな、湯通しすると綺麗な紅色になる。
 今の舞の顔みたいにな」


スルリと頬を撫でられた。


「もしかしてそれを教えるためだけに、わざと顔が赤くなるようなことしたの!?」

政宗「ん?それもあるが舞が可愛いからしたくなっただけだ」


鼻の頭をツンツンとつつかれ、悔しいのか嬉しいのか頭がごっちゃになった。


政宗「そろそろ行くぞ。いい加減行かないと秀吉が探しにきそうだ」

「待って。呼ばれてるのは政宗だけなの。私はここに残って煮物を作るよ。
 この間作り方教えてもらったばかりだから作れると思うんだ」


レシピの他、火の調整の仕方や、煮崩れしないコツも数日前に教えてもらったばかりだ。
残念そうにしていた政宗の力に少しでもなりたい。


政宗「んじゃ、楽しみにしてる。終わったら味見してやるからな」

「うん、張り切って作るねっ」

政宗「……舞、『え』は?」


せっかく小さくなっていた内なる火が、油を注がれたように燃え上がる。
いつも政宗の言葉ひとつで惑わされて、ときめいて、仕方ない。

これ以上小さくなれないところまで心臓がキュンと縮んだ。
痛いような苦しいような感覚は『政宗が好きだ』って、わかりきった感情を教えてくれる。


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