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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


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昨夜は湿度の高く寝苦しい夜だったけれど、光秀さんのことをあーだこーだ考えているうちに暑さ寒さも感じなくなって寝てしまい、気が付けば朝になっていた。

約束の時間より30分以上も早くお茶屋さんに着いてしまった。
混んでいたので店内ではなく緋毛氈(ひもうせん)が敷かれた縁台に座った。
日よけの赤い野天傘が風情を感じさせてくれる。

茶屋の娘さんが注文を取ったり品を運んだりと忙しく動いているのを、お茶で喉を潤しながら眺めていた。

涼やかな姿はまだ見えない。


(早く会いたいな)


昨日城下で別れて以来、物足りなさを感じていた。
三人1セットで行動していたせいで謙信様が居ないと落ち着かなかった。


(深い意味はないんだけど会いたいな。そう、深い意味はない……ない、よね?)


自問自答を繰り返しても答えはでなかった。

素っ気なくされて落ち込んでいた以前とは大違いだ。
こんなにも会いたくなる存在になるなんて、今回の件がなければ考えられなかった。
髪が乱れていないか手をやり、着物の裾や袖がめくれていないかチェックする。

ソワソワしてじっとしていられない。


謙信「舞、待たせてすまなかったな」


言葉よりも先にフワリと香った香りが謙信様が来たことを知らせてくれた。
見上げると着物姿の謙信様が立っている。

現代の服もよく似合っていたけど、やっぱり着物の方が『謙信様』っていう感じがする。


「まだ約束の時間よりも早いので気にしないでください。
 私が早く来すぎてしまっただけです」


謙信様は私の隣に腰かけた。


謙信「次に待ち合わせすることがあったら、もっと早く来なければいけないな」


そう言って謙信様は周りを伺った。


謙信「明智は一緒じゃないのか?」

「光秀さんですか?今日は1人で来ましたけど…」

謙信「そうか」


随分と嬉しそうに見えたのは気のせいじゃない。

謙信様は近くを通ったお茶屋の娘さんに注文をし、おもむろに懐から巾着を取り出した。


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