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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


光秀さんの着物からお香の匂いと、男の人の……光秀さんの香りとが混ざり合って、物凄く悔しいけど、とっても良い香りがした。


(光秀さんってこんなスキンシップしてくる人だった!?)


氷の魔法をかけられたように身体がカチンコチンに固まった。


光秀「ふむ。モッチリはしていないが抱き心地は悪くない。
 妙に力が入っていなければもっと柔らかいだろうに、残念だ」


寸胴かどうか確かめると言ったわりに、そのあたりの感想はなかった。
胸板を両手で押し返そうとしても、そう簡単に逃げられなかった。


「モッチリって……それはアザラシの抱き心地を想像して言っただけですよ。
 いきなり抱きしめられたら硬直するのは当たり前ですしって…離してくださいっ!」


結構強い力で突っぱねたのに、びくともしない。


光秀「謙信にも買ってきたのか?」

「旅の記念品ですか?もちろんです」

光秀「心優しいお前ならばそうだろうな」


気のせいか落胆しているように見えて、それが何でなのかわからなくて困ってしまった。


「お揃いは嫌がると思って、違う品を買ってきましたので安心してくださいね?
 でももう一つの包みは謙信様と、私と三人共通の品なんです。嫌だったですか?」


そう言うと光秀さんは腕を解いて、二つ目の包みを開封している。


(やっと解放された…)


頬に手を当てると抱きしめられた動揺で火照っていて、頭がクラクラする。

二つ目の包みには小瓶に入った砂と写真を一枚入れておいた。


「私達がシュノーケリングした海の砂と、スタッフの方が水中から撮ってくれた私達の写真です」


写真にはサンゴ礁付近で熱帯魚を見ている私達3人が写っている。


「ゴーグルとシュノーケルを付けていますし、誰が、何をしているかわからないでしょう?
 この砂は雑貨屋さんで見つけたんです。あの時代のものはこちらでは凄く目立つので砂なら良いかなって。
 他の人が見ればただの白い砂ですけど、私達にとってはそうじゃないから……」


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