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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


光秀「よく似合っている」

「お店で見た時に思ったんですが、この白い石は光秀さんみたい」


白と灰色がマーブルになっている石を見た。


光秀「そうか?」

「白いのに白くないところが」

光秀「ふっ、なんだそれは」

「白くないけど白い人だなって、ずっと思っていますよ?
 こう言うと光秀さんはいつも否定しますけどね」


微笑を浮かべた唇は、いつもの意地悪じゃなくて嬉しさを滲ませているように見えた。


光秀「どう思っていようとかまわないが、無防備な姿ばかりさらしていると俺も白ではいられなくなるぞ」

「?」


出会ってから今まで、しょっちゅう『無防備だ』と言われ続けてきた。
今更どうなるっていうんだろう。

首を傾げつつ、私も荷物入れの中から二つ、包みを取り出した。


「実は私も旅の記念を買ってきました。開けてみてください」


光秀さんが包みを開封し、キーホルダーの金具をつまんで持ち上げた。


光秀「これはあの時の……」


直立不動で寝ているアザラシがぷらんと可愛らしく揺れた。


「知らなかったんですけど、あのアザラシは、よくあそこで寝ていて有名だそうです。
 こんなふうにお土産になっちゃうくらい。
 光秀さんが気にしていたみたいなので、可愛すぎるかなと思ったんですけど買ってきました」

光秀「驚いたな…そっくりだ」

「でしょう?」


キーホルダーのアザラシは表情から模様までそっくりだ。

喜んでくれたかなと笑いかけると、何故か光秀さんがキーホルダーを私の顔の隣に並べた。


「……?」

光秀「舞の今の顔に…」

「っ!?こんな呑気な顔してませんっ!!こんな寸胴じゃないし…」

光秀「どれ、確かめさせてもらおうか?」

「え…」


面白がるような眼差しが視界の隅に映った時には、抱きすくめられていた。


「ふえっ!?」

光秀「無防備で居ると白ではいられなくなると言っただろう?」


(光秀さんが、ご、ご乱心だ)


戦国時代に戻ってきた安心感で、どうにかなっているのかもしれない。


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