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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


光秀「小娘は何故つまらなさそうな顔をしているんだ?
 このブレスレットの相手は俺のことなど待っていない。なぜなら……」


フツリと切れた言葉に臥せていた視線をあげた。

長い睫毛で彩られた目は温かく、形の良い唇は美しい弧を描いていた。


「待って、いない…んですか?」


納得がいく答えが出せずに首を傾げていると、光秀さんは着物の袂からラッピングされたブレスレットを取り出した。


光秀「『ずっと共に居た女』が、俺を待っているわけがないだろう?
 舞に贈ろう。旅の思い出だ」

「えっ!?」


お金の包みの横に可愛い包みが置かれ、びっくりして光秀さんの顔と包みを交互に見比べた。


「私に選んでくれたってことですか?なんで……」

光秀「舞は忘れているかもしれないが、帰れなくなった時は養ってやると言っただろう。
 殊(こと)の外あの言葉が嬉しかった。できないとは言わないが過酷な道を選ぼうとしていたお前が可愛くてな…」

「か、可愛い!?光秀さん、熱でもあるんじゃ……」


冗談でも嬉しくて、嬉しさの裏返しで失礼なことを言ってしまった。


光秀「血迷っても、熱も出していないぞ?確かめるか?」

「いいえ……意地悪の餌食にされそうなので丁重にお断り致します」


光秀さんは気分を害するわけでもなく、『つけてみてくれ』と言った。

包みの端を留めていたシールをはがし、包装紙を破らないように静かに広げた。
中には半透明の緩衝材に包まれたブレスレット。

シールやセロハンテープといった500年後の素材が、もう……こんなにも懐かしい。

三人で過ごした思い出が蘇った。


(楽しかったな…)


かけがえのない時間がもう終わってしまったんだと胸がいっぱいになった。


「似合い……ますか?」


一連では長かったので、もう一回巻き付けて2連にした。
ブレスレットの色味が派手じゃないから、着物の色を選ばなさそうだ。


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