第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)
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光秀さんと謙信様がそれぞれバルコニーに居ることを確認し、リビングのソファにチョコンと座った。
飲み直すかもしれないと3つ出しておいたグラスは伏せたままだ。
光秀さんも謙信様も、それぞれお酒を飲みながら外を眺めていた。
二人とも大人の男性だし、一人で居たい時もあるだろう。
頭でわかっているのに、少しだけ…一人なのが寂しい。
(そんなこと思っちゃ駄目だよね。昨日の朝からずっと一緒に居てくれたんだから)
ソファの座り心地がよすぎて眠くなってきた。
瞼が落ちてきてウトウトと微睡(まどろ)む。
(明日は帰るんだ。早かったなぁ)
凄く楽しくて、できればもう少し居たかった。
二人にもっとこの時代を見て欲しかった。
『—―――舞?』
遠くで誰かが私を呼んでいる。
響く低い声は耳から入って甘く染みわたり、優しく眠りの世界に誘ってくれる。
(好き……だな、この声……)
ふわふわとした幸福感に包まれて、幸せな眠りについた。